メルカリで仕入れてAmazonで売る販売法
転売に関してのコンサルなどで、転売手法としてメルカリで仕入れた物をAmazonで販売するという方法を紹介される場合があります。これはメルカリというサービスが立ち上がった直後にそのサービスに目を付けた方たちが手をつけ始めた手法で、一時期はわりと盛んにおこなわれていました。
メルカリというサービスが立ち上がった当初、フリマアプリという概念が新しいものであったため、規約などが追い付いていなかったのです。そのため、結構自由にやっていた方もいます。
実際、この手法はかなり利益率良く稼ぐことができたはずです。メルカリでは値付けが恣意的なため、他のネットショップと比べてかなり安めに仕入れることができます。正規のルートで仕入れる場合よりもずっと安く仕入れらる場合もあります。そうして仕入れた商品を、他のネットショップの相場であると、利ザヤは結構なものになります。
といっても、この手法が現代ではまったくの規約違反・法律違反であるというわけではなく、一部はNGで一部はOKといった、微妙な立ち位置にあります。
少々複雑ではありますが、本記事ではメルカリ仕入れAmazon販売の何がNGなのかを規約・法律に基づいて解説していきます。
メルカリで未開封品の商品を仕入れてAmazonで新品商品として売る場合
まず、新品商品をメルカリで仕入れてAmazonで販売するというケースを考えてみましょう。ここでは、規約的にOKなのか、法律的にOKなのかの2つの観点でチェックしていきます。
法律的には「多分ダメ」
法律的な観点で見れば、「多分ダメ」というのが実際のところだと思われます。「多分」といいますのは、この問題で争った前例がないのです(あったら教えてください……)。ただ、新品か古物かの判断基準として、古物営業法に下記の記載があります。
『１度使用された物品、もしくは、使用されない物品で使用のために取引されたもの、または、これらの物品に幾分の手入れをしたもの』
古物営業法 第2条第1項
この記述を素直に解釈してみると、
「メルカリは、個人が使用を想定・または使用していたが、購入したが不要になってしまったものを販売するフリマアプリである」→
「フリマアプリで購入・仕入れできるものは１度使用された物品、もしくは、使用されない物品で使用のために取引されたものである」→
「フリマアプリで購入したものは古物である」
と理解することができます。
そのため、新品商品としてAmazonで販売することは古物を新品と偽って販売することと解釈でき、この解釈に則れば、まぁアウトです。
ということで、法律的な観点から見ればかなりブラックに近い手法という位置づけになります。
規約的には大抵の場合は明確にダメ
Amazonには、「新品」や「中古」を分類するための基準として、コンディションガイドラインがあります。そのガイドラインの中には、下記の記述があります。
「新品」として出品できない商品
Amazonマーケットプレイス コンディション・ガイドライン
以下の商品は、Amazonで「新品」として出品することはできません。
●個人（個人事業主を除く）から仕入れた商品。
(以下略)
メルカリで出品している人たちは、大抵の場合個人事業主ではないでしょう。ただ不要なものを売りたいだけで事業を行っているわけではありません。なのでこのケースはコンディションガイドラインの規約違反に該当します。
ただ例外として、販売している方が個人事業主であることが証明できる場合は規約的には問題ありません。もっとも、そうであったとしても真贋調査の対象になった場合ほぼほぼ調査を突破できないので、やはりおすすめはしませんが……(真贋調査については別記事で詳しく解説予定です)。
結論
やめた方がいいです。絶対にお勧めしません。
メルカリで中古品を仕入れてAmazonで中古品として売る場合
法律的には古物商許可証がを持っており、特定条件下ではOK
古物を仕入れ、古物として販売する分には何の問題もありません。実際、やっていることは一般のリサイクルショップと変わりありません。
注意点として、そもそも古物の取り扱いには許可証が必要です。これは事業の拠点となる場所を管轄している警察署に申請すると取得できるものです。許可証を得ることはそれほど難しくはありません。書類を書いて約2万円ほどの印紙を買えばすんなりと許可証をもらえます。
また、もうひとつ、許可証以外にこの方法が認められる条件があります。それは、「買い取り時の取引金額が1万円未満のものに限る(*品目によって例外あり)」という点です。
許可証を持って古物を取り扱う場合、許可証さえあれば自由にやっていいというわけではなく、取引時に「いつ誰といくらで取引したか」を古物台帳を記録する必要があります。
メルカリで取引した場合、この台帳をつけることができるでしょうか？ 「誰と」の部分が書けないのです。記帳しなければならない項目は、「取引相手の氏名・住所・職業・年齢」です。しかも、その情報の真偽確認のために免許証などの証明書を確認しなくてはなりません。ムリですよね？
なのでメルカリ取引で古物台帳を記載することができないのですが、特定条件下では台帳への記載が免除される場合があります。それが、「買い取り時の取引金額が1万円未満のもの」であるという条件なのです。
なので、この１万円未満という条件を満たした上でなら、メルカリで中古品を仕入れることができるということになります。
ただ例外として、1万円未満で合っても、「バイクや原付、書籍、ゲームソフト、CD、DVDなど」は台帳記載の義務があります。なので、これらの品目ではないものであることも必要になります。
補足ですが、販売時は原則台帳記載の義務はないのですが、時計や宝飾品類、美術品類、自動車、バイク、原付等の場合、販売時にも台帳記載が必要です。
多々例外があってものすごく面倒くさいことになっていますが、品目を見て勘のいい人はお気づきかもしれませんが、要するに盗難品を流されたときに経路を辿れるようにという意図でこの法律が作られているのですね。
規約的にはOK
「中古品」のコンディションであれば、個人から仕入れた物であっても販売は可能です。まぁ、元々中古品ってそういうものですしね。何の問題もありません。
結論
中古品を仕入れて中古品として販売する分には、胸を張って取り組んでもらってOKです。
ただ、①許可証を持っていること、②1万円未満の仕入れかつ特定品目に該当していないこと を守る必要はあります。
メルカリで未開封品の商品を仕入れてAmazonで中古品として売る場合
このケースはあまりないかもしれませんが、一応解説しておきます。
未開封品といっても、扱いは古物です。要するに、中古品を仕入れて中古品として販売するということと変わりません。許可証を持っており、古物台帳の記載が免除できる品ならば問題ありません。
もっとも、この手法が稼ぐのに効率的かと言われると微妙なので、あまりおすすめはしません。
たとえ未開封品であったとしても、同じ値段なら当然お客さんは新品の方を購入するので、多少値段を下げなくては売れません。そもそも商品ジャンルによっては新品以外の出品を禁じているものもあります。
特別な事情がなければ、わざわざこの手法を採用するメリットは薄いかと思います。
Amazonで仕入れてメルカリで売るのは大体の場合はOK
補足として、Amazonで仕入れてメルカリで販売するケースを一応記載しておきます。
新品を扱う場合、あなたは事業者でAmazonから販売のために(使用を目的とせず)仕入れているので、Amazonで販売している新品を仕入れても古物に該当しません。新品を新品として販売しているだけです。許可証や古物台帳への記載は必要ありません。
中古品をAmazonから買ってメルカリで販売する場合は、金額・品目によっては許可証と古物台帳の記載が必要になります。買い取り時は、Amazonで購入するときは、特定商取引法に基づく表記からどこが販売しているかがわかるので、記載に困ることはないでしょう。販売時は古物台帳の記載は原則不要です(時計や宝飾品類、美術品、自動車バイク、原付は例外です)。例外品目に該当しない商品を扱っている場合は、メルカリで販売することはできませんが、この品目以外でなら、胸を張って行っていってもらって大丈夫です。
Amazonメルカリ販売で困ったら
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