近年、”P2E”という概念を耳にするようになりました。それって何? どうしてそんなことができるの? 実際どのくらい稼げるの? やるべき? など色々な疑問が出てくると思います。それに関して、
P2E (play to Earn)とは?
P2E(Play to Earn)とは、文字通り「遊んで稼ぐ」という稼ぐ方法の一つとして、近年取り上げられました。これはブロックチェーン技術を基盤とした、仮想通貨やNFTによって、夢のようなこのシステムが実現できるようになったのです。日本ではまだ普及しているとは言えませんが、海外では実際にゲームで稼いでいる方々も実在するのです。日々、P2Eができるゲームの開発プロジェクトが立ち上がっています。
どういうゲームがあるの?
実例としていくつかP2Eができるゲームを紹介します。ここではP2Eの記事なのでゲーム各々の詳細などは完結に留めます。詳しくは別記事で!
Axie Infinity (アクシー・インフィニティー)
P2E界隈では最も有名なP2EゲームがAxie Infinityです。ベトナムで開発されたゲームで、東南アジアで特に人気のゲームです。フィリピンではこのゲームで稼いだお金で家を建てた人もいるとか。
3体のアクシー(モンスター)を用意し、そのモンスターを育成してバトルさせ、勝利すると報酬が入るという育成ゲームです。
Crypto Spells(クリプト・スペルズ)
こちらは、日本で開発されたトレーディングカードゲームです。他プレイヤーとカードを自由に売買したり、ゲーム中で「カード発行権」を獲得すればオリジナルのカードを作ることもできます。
30枚のカードでデッキを構築し、ユニット(モンスター)やスペルを駆使して対戦相手とライフを削り合います。シャドウバースや遊戯王などのカードゲームが好きな方は取っつきやすいと思います。
My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)
こちらは日本産のMMOPRGです。歴史上の人物がモチーフとなっており、彼ら(ヒーロー)に武器(エクステンション)を装備させてダンジョンに出たり他プレイヤーとバトルをさせます。士農工商というプレイスタイルがあり、様々なスタイルでゲームを楽しめます。
- 士:プレイヤー対戦で得られる報酬を狙ってゲームをします
- 農:ダンジョンに出かけて高レアなアイテムドロップを狙ってゲームをします。
- 工:ゲーム内でアートを作成して(アートを使うと、ヒーローのビジュアルを変えることができます)マーケットを販売することを狙ってゲームをします。
- 商:ゲーム内外のマーケットプレイスで売買して利益を上げることを狙ってゲームをします。
他にもいろいろ
3つほどゲームを紹介しましたが、日々色々なP2Eゲームのプロジェクトが立ち上がっています。まだまだ紹介したりたいので、他にも見てみたい方は別記事でご参照ください!
どういうふうに稼ぐの?
さて、ではこのようなゲームをしてどのように稼ぐことができるのでしょうか。ゲームによって色々とありますが、代表的な収入源は以下になるでしょう。
- クエスト達成の報酬
- プレイヤー同士の対戦報酬
- ゲーム内のランキング報酬
- ゲーム内で得られたNFTアイテムの売却
ただ注意しなければならないのは、初期投資が実質必須というところです。当然、強いアイテムやキャラクターを持っている方がバトルに強くなり、稼ぎやすいです。現実問題、本当に稼ぐという動機でゲームをするのなら、初期投資は必須になります。ゲームによりますが、大体10万前後でしょうか。高くて数十万ですかね。
ただ、その初期投資が苦しいという方にもやりようがあります。それがスカラーシップ制度というもので、別の人が揃えたキャラやアイテムを使わせてもらってゲームをし、得られた報酬を分配する、というやり方です。このスカラーシップ制度を取り持つ、「ゲームギルド」と呼ばれる組織が存在します。YGG (Yield Guild Games)というギルドが2022年4月現在一番大きなところですかね。初期投資が払えないけどP2Eで稼ぎたいという方は除いてみるとどうでしょうか。
どれくらい稼げるの?
さて、プレイヤー側にとっては一番重要なところになります笑 結局重要なのはどのくらい稼げるか、ですよね。
この値はもちろんそのゲームの仕組みや界隈の賑わい具合、初期投資にどれだけかけるか、どれだけゲームが上手かなど様々な要因に左右されます。なのであくまで、2022年4月現在における参考程度としての値になりますが、普通の人が頑張って1月あたり5万~10万円くらいと思ってもらえるといいと思います。
運営会社はやっていけるの?
などと解説してきましたが、やっぱり「ゲーム遊んで稼げるとかそんな甘い話あるかよ……」という思いが出てくるかもしれません。実際、これに関しては筆者も懐疑的で、正直現状の多くのP2Eゲームは長続きする仕組みが足りてないのでは、と思ったりもしています。
一応、ゲーム会社もさすがにお金配りをしているわけではありません。各々ゲームによってビジネスモデルの違いがあるとは思いますが、代表的な例を挙げると下記のような形で収益を得ています。
- キャラや土地などの事前販売
- ゲームアイテムの販売
- ユーザー間ゲームアイテムの売買取引手数料
- ゲームの暗号通貨の売買
ただ、「それなら安心だ」というわけにもいきません。と言いますのも、これらの収益というのは基本的に「新規参入者がいること」に依存しているからです。
まず、一つ目のキャラや土地などの事前販売は明らかですね。
二つ目の「ゲームアイテムの販売」は消耗品でない場合は、新規参入者がメインで購入することになります。消耗品であるなら既存プレイヤーも購入するでしょう。しかしながら、稼ぐという目的でプレイしている人口が多ければ、この購入代金を差し引いても十分な報酬が自分に流入すると見込んで購入しているのでしょう。
三つ目の「ゲームアイテムの売買取引手数料」ですが、これも新規参入者が必要です。プレイヤーが稼ぐ目的で取引をする以上、売る側は徴収される手数料を差し引いても回収できた後の既存プレイヤーが多いでしょう。一方で、購入する側は初期投資を目的とした新規参入者が多いはずです。また、その新規参入者も回収する目途が立っているからこそ買うことも多いので、最終的に運営会社に渡る純粋な利益は「購入側の読み違え」によるものでしょう。
四つ目の「ゲームの暗号通貨の売買」は、ゲームが盛り上がれば、それに使われている通貨の価値も上がっていくので利益が出る、ということです。しかしこれは成長をし続ける、つまり新規参入者が多数いるという状態を維持し続けるということを意味します……。
以上のように、P2Eゲームの運営は新規参入者の初期投資という形での外貨の流入に依存しています。その新規参入者たちが回収しつつあると、新たな新規参入者で補う……という、「常に新規参入者を呼びこまなくては破綻する」というビジネス的にはかなりつらい形になっています。当然天井もあるでしょう。それでは、P2Eゲームは一時のブームで終わるのでしょうか?
楽しければ大丈夫!?
実は、上で挙げた厳しい状況は、「そのゲームが稼ぐということのみを動機としてプレイされる」という前提の下でのお話になります。要するに、そのゲームを純粋に楽しむ層が多ければ、収支を度外視にして「ゲームを快適に行うために買う」、「ゲームを楽しむために収益に影響しないアイテムなども買う」、「ゲームグッズなどリアルの関連グッズを買う」などといった、新規参入者の初期投資以外のお金の流入が発生します。ゲーム自体が、多少お金を払ってもいいと思わせるような魅力を持っていれば上記の問題は解決するわけですね。P2Eということをアピールポイントにして人を呼びよせ、そこで「むしろお金を払ってもいいや」と思わせるようにする、という魅力が運営側の観点からすれば重要になるかと思います。
あるいは、大きく稼げる可能性がある(稼げない可能性もある)代わりに場代などを一定額取る、といったギャンブル方式も考えられるかと思いますが、賭博要素が入ると法解釈される可能性があるので怪しいですね。どうなるのでしょう。事業者の方は、ちょっとここは弁護士と相談した方がいいかもしれません(これ言ったらNFTガチャも怪しいですけどね)。
なので、P2Eゲームをやってみようかな、と思われた場合には、お金のことを抜きにして「楽しそう」と思わせるゲームを選ぶことをお勧めします。楽しくないゲームはサービスが長続きしない可能性がありますし、遊んで稼ぐと言っても、それが楽しい遊びでなければただの作業です。作業して稼ぐ、となると普通の仕事ですよね。
楽しいゲームを選んでプレイする、というのがすごく大事です。稼げる金額よりも重要です。
やりたいゲームがあって、それがたまたまP2Eに対応していたらラッキー、くらいの感覚がちょうどいいのかもしれませんね。
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