せどりを副業で行っている方の中には、あわよくばせどりを本業にして、専業として独立したいと思っている方も多いと思います。
しかしいざ独立となると、不安だったりタイミングがわからなかったりするのではないでしょうか。
本記事では、せどりで独立するにあたって、失敗しにくいタイミングの見極め方について解説していきます。
独立のタイミングの4つの基準
独立するタイミングを見極める、4つの基準をピックアップしました。理想は、この4つをすべてクリアしていることです。もっとも、4つすべての基準のクリアはかなり安全側に振っているので、モチベーションがかなりあるようでしたら2~3つクリアしていればチャレンジしてしまってもいいかもしれません。
直近3か月の利益が生活資金を超えていること
まず一つ目の基準は、「直近3か月の利益が生活資金を超えていること」です。具体的な金額を述べますと、20~30万円ほどの利益が上がっているなら独立を考えてもいいでしょう。
ただし、この状態を少なくとも直近3か月くらいは維持できていなければなりません。1月だけ生活資金を超えた利益を上げられても、偶然かもしれませんからね。
独立となると結構勇気のいる決断ですので、多少安全を見た方がいいです。
数か月分の生活資金+仕入れ資金分の貯金があること
せどり専業となると、直近3か月の実績があったとしても、やはり不安がつきまといます。そのため、別途貯金として、数か月(3か月くらい)の生活資金分の貯金を蓄えていた方がいいでしょう。3か月あれば、何かしらのトラブルが起こったとしても大抵の場合はリカバリーが利きます。
また、せどり特有の注意点として、それに加えて数か月分の仕入れ資金も準備しておくのが理想的です。せどりは売上を拡大するためには仕入れも多くしなければいけないビジネスです。仕入れに追加できる貯金がなければ、時間があっても仕入れが拡大できずなかなか売上が拡大できない、というケースがあり得ます。
ただ、この数か月分の仕入れ資金ですが、もしクレジットカードでの仕入れをメインにしているのでしたら、貯金ではなくクレジットカードの追加という形でカバーすることもできます。この場合はあまりハードルを大きく感じる必要はないでしょう。
失敗したときのリカバリーの想定ができていること
挑戦する前から失敗した後のことを考えすぎるのもよくないですが、「もしもうまくいかなかったらこうしよう」という想定を持っていると安心です。
再就職をしなければならない可能性がある、という覚悟ももっておきましょう。
例えば、もしもせどり事業がうまくいかなかった場合に備えて、汎用性のある業務スキルを習得しておくといいです。また、もしも本記事の読者が20代でしたら、再就職もそれほど難しくはないので、肩ひじを張らなくても大丈夫です。
独立後に売上を伸ばしていくビジョンを持っていること
これはかなり大事なポイントです。
それまで勤めていた会社を退職してせどり専業になると、多くの時間ができます。その時間を趣味などに使うのもいいでしょう。しかしすべての時間を余暇のために使うと遅かれ早かれ破綻してしまうでしょう。空いた時間もそれなりに事業拡大に費やしていくべきです。
独立することで空いた時間をどのように使って売上を伸ばしていくかという想定をしておくべきです。リサーチに使う時間を増やしたり、新しい手法を試したりなど、「会社を辞めたらこういうスケジュールで過ごして事業を拡大していく」というざっくりとした青写真を持っておきましょう。
せどりで独立する際の注意点
キャッシュフローを把握しておく
せどりは、プログラマーなどの受注仕事よりもキャッシュフローに気を配らなければならないビジネスです。キャッシュフローというのは現金の流れです。
「せどりで利益が出ている」といっても、出ていた利益をすべて現金として持っておくことはできませんし、してはいけません。なぜならせどりは、お金を物に変換し、それを再びお金に変換するビジネスなので、幾分かは現金ではなく在庫として資産を持つことになります。売上を拡大していくとなれば仕入れも多くなるので、一時的に現金が少なくなることも全然あり得ます。
現金を持っておらず支払いができなくなれば、資産は黒字で増えていたとしても事業としては破綻します。同様の理由で、稼いでいるはずなのに生活が苦しい、という状態になることもあり得ます。
そういった状態を回避するために、毎月何日にいくら支払わなくてはならないのか、というのを独立する前にまとめておきましょう。
独立後に追加でかかるお金を確認する
基本的に、せどりに関する経費や所得税などは専業でやろうと副業でやろうと変わらないものが多いですが、いくつか、専業にすることで新たに払わなくてはならなくなる費用があります。これは副業時代にはかからなかった費用なので、事前に確認しておきましょう。
国民健康保険
企業に勤めている頃は、社会保険料としてお給料から天引きされていますので、せどり事業にはかかわってこなかったお金でした。しかし独立するとなると、それを自分で支払わなくてはなりません。
金額は所得や市町村によって変わってきますので、市区町村のWebサイトを見たり、窓口で質問したりして確認しておきましょう。
例:新宿区の国民健康保険 保険料:https://www.city.shinjuku.lg.jp/hoken/hoken01_002029.html
国民年金
こちらも会社勤めの場合はお給料から引かれていますが、独立後は自分で払っていかなくてはなりません。金額は毎年変わってきますが、令和4年度は1万6590円です。この金額前後の支払いを毎月していかなくてはならないということを認識しておきましょう。
日本年金機構HP:https://www.nenkin.go.jp/faq/kokunen/seido/hokenryo/20150331.html
せどりで独立する前にしておくべきこと
せどりに限った話ではないですが、独立する前だったら簡単にできていたことが、独立後は難しくなるということがままあります。会社勤めであることによって得られている信用というものはバカにはできないんですね。
なので必要なことは、独立する前に済ませておかなくてはなりません。
クレジットカードを可能な限り作成しておく
せどりでは、クレジットカードは多く持ちすぎるということはありません。使用できる金額が多ければ多いほど、仕入れができるということです。「リサーチで利益商品がたくさん見つかったのに、クレカ枠が少ないせいで仕入れができず、せっかくの利益を逃してしまう」というような状況は避けなければなりません。
会社勤務であるうちに、作れるだけ作っておきましょう。また、上限額の引き上げも申請しておきましょう。個人事業主になってしまうと、クレジットカード1枚つくるだけで一苦労になってしまいます。
(必要なら)引っ越しなどを済ませておく
家を借りるということも、企業勤めなら難しくありませんが、独立しているとなると難しくなります。不動産屋にしてみれば、収入の安定していない人に部屋を貸して、回収できなくなる、というケースは絶対に避けるべきですからね。それなりに利益を上げていても、会社勤めでないからという理由でなかなか借りられなかったりします。
せどりの場合は、一時的に商品を自宅に保管しておくということも少なくないでしょう。もう少し部屋を広くしたいな、と思っても、企業勤めでなければなかなか見つからなかったりします。
なので、会社を辞める前にあらかじめ必要がある場合は、引っ越しを済ませておきましょう。
(理想)複数の販路でそれなりの売り上げを確保しておく
これはあくまで理想ではありますが、売り上げは複数の販路で確保しておいた方がいいです。せどりはどこかのプラットフォームを借りて運営している場合が多いはずです。例えばAmazonやメルカリなどですね。
もしも売上を一つのプラットフォームに依存させていた場合、仮にそのアカウントが停止してしまったときに多大なダメージを負うことになります。
なのでできるだけ分散させて売上を立てている方が強いです。アカウントの停止は、特に悪いことをしていなくても理不尽に執行されることもあります。
ただ、これは簡単なことではないので、あくまで理想のお話ですね。独立後は別のプラットフォームの売上を伸ばすために時間を多く割く、といった方針を持っておくならば、必須とまでは言いません。
よくある独立失敗パターン
現金がなくて支払いができない
キャッシュフローが回らなくなったパターンですね。
現金を収入支出を管理できておらず、うっかり支払日に現金が足りない状態を作ってしまうとこうなります。これは俗にいう黒字倒産という状況で、利益は出ているはずなのに事業が破綻してしまうということになります。
せどりは現金の出入りが激しい業種なので、しっかりと管理しておきましょう。
利益が1つの商品に依存しており、それが扱えなくなって破綻
これは、独立前にそれなりに売上がたっているために「独立できる!」と浮かれてしまっているときにありがちなパターンです。
実はその売上が一つないし二つの主力商品に集中してしまっており、その商品が廃盤にななったりメーカーの介入によって販売負荷になってしまうとガクンと売上が落ちてしまう、という状況です。
一応独立の基準として利益を上げてはいますが、本当にその利益は安定しているのか、ということは気にしておきましょう。
サボりすぎて売上が先細っていく
独立する前はかなり安定した売上を立てられてはいるものの、独立後にサボリすぎてしまって事業を拡大しないままサボっていると、段々と利益は減っていきます。
ビジネスでは一般的に、「現状維持」ということは実現不可能です。上がるか下がるかしかありません。下りのエスカレーターに乗っているようなもので、何もしなければ下がっていきます。自分から動かなければ、いいニュースはほとんど入らず、悪いニュースはどんどん入ってきます。そのエスカレーターを走って駆け上がるような気持ちで取り組んでようやく成立すると思ってください。
独立に関する筆者の所感(諸説あり)
本章の記述はあくまで筆者の所感です。「こんな考え方もあるんだ」くらいに読み流してください。大分無責任なことも語ります。
本記事では、できるだけ失敗の可能性がすくなくなるような独立の基準についてお話ししましたが、このような細かいことは考えず独立してしまう方も多くいらっしゃいます。それでうまくいっている方もいますが、失敗する方もいます。しかしその比率が極端に失敗側に偏っているかというとそうでもないんですよね。
結局のところ、事業に取り組むエネルギーはこれまで記載した能書きを覆してしまうほど最重要な要素です。むしろ、「独立して事業にどっぷりのめりこむぞ、安全にこなすための処世術なんて知らん!」という方がうまく行ったりもします。
せどりという事業はそれほどリスキーな事業ではありません。仕組み上、よっぽどの大間違いをしなければ赤字で首が回らなくなることはそうそうありません。なので「失敗」といっても、再就職をしなければならなくなるというだけです。せどりもべつに辞める必要もなく、続けていけばいいお小遣いになってくれます。そして「今度こそ独立できる!」と思ったらまたチャレンジすればいいんです。
今の時代、人生の中で勤める会社を変えることは別に珍しいこともでもありません。失敗したら再就職すればいいんです。よっぽど今の会社が素晴らしくて変えたくないのでしたら、独立しないで副業として続ければいいと思います。「独立はしたいけど、失敗して再就職しなくちゃいけないくらいだったらしたくない」というケースでしたら、もはや正解はありませんので、自分の気持ちと向き合ってみてください。正解がなくとも決断しなければならないという状況は、自分で事業をやっているならよくあることですので、その練習になるでしょう。
せどりの独立で悩んだら
以上のように、せどりの独立について記載しましたが、やはりまだ不安だったり、わからなかったりすることも少なくないでしょう。
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