せどりのメーカー・卸仕入れとは
せどりは一般的に、量販店やネットショップなどから仕入れるのですが、メーカー・卸仕入れは仕入れ元がメーカー本体か卸業者になります。ここまでくると「せどり」というか、「小売業者」という表現の方が適切ですね。
小売業者として正式に取引することなので、せどりで一般的な小売店仕入れよりもハードルは上がりますが、その分メリットも大きいです。
副業でもできる?
できます。
取引自体は、業者にもよりますが、副業かどうかはあまり気にしないところも少なくありません。副業だろうと何だろうと、業者側にしてみれば要するに売ってくれればいいわけです。
ただ、業者によっては社内規定で、法人でなければ取引しないというルールを設けているところもあります。そこは支払いをきちんと行ってくれるか、という信頼面を重視しているわけですね。そういうところに関しては、法人化してない場合はすっぱり諦めて、法人でなくとも取引してくれる別のところを探すことになります。
しかし少々苦労する方もいるでしょう。といいますのも、基本的に業者とのやり取りは日中になります。当然、業者も日中に働いているわけですからね。
メールだけのやり取りなら時間がかかりますが、連絡を取り合って契約を成立させることもできます。しかしながら電話でのやり取りを好む業者も多く、本業の業務中に電話をとれない方は大変になるでしょう。
電話の方がすぐに話をまとめられ、実際に連絡を取り合うことが確かめられ、そして相手の声を聴くことで信頼観を得ることができる、というのは大きいです。それで電話を好む業者も少なくありません。
小売やメーカーという業界はIT業界などと比べて少々遅れているところがあります。2023年でもFAXが現役なレベルです。そういう面もあり、電話という媒体が非常によく使われます。
なので、「副業でもできるか?」という質問への回答は、
できる。ただし日中にメールのやり取りや電話対応ができない場合は少々苦労する。
といったところです。
メーカー・卸仕入れのメリット
販売が正式に許可されているため安心して仕入れ・販売できる
これは大きなメリットで、このポイントのためにメーカー・卸仕入れに取り組む方もいます。
小売店から仕入れる場合ですと、販売しているところにメーカーが介入してきて販売が継続できなくなる、というケースがしばしばあります。特にAmazonで販売を行っている方は1度は経験していることが多いでしょう。
メーカー・卸から仕入れている場合は、あまりそのようなことは心配しなくても大丈夫です。事前にどのように販売をするかを卸業者に確認しておけば、その範囲ではこのような問題が起こることはほぼないでしょう。
リピート仕入れが安定する
これもまた見逃せない大きなポイントです。
メーカー・卸との取引を成約させることができれば、販売して在庫が付きそうだったら再発注(メール1本)、という形で小労で利益を生み出し続けることができます。
できるだけ労働を少なくして継続的に利益を生み出したい、というケースにはばっちりかみ合う手法です。
仕入れ値が安い
このポイントは、一応間違ってはいないので記載しておきます。
ただ、この点に関してはあまり期待しない方がいいでしょう。
といいますのも、実際のところ、実店舗の在庫処分や各種ポイントの駆使をした小売仕入れの値段とそれほど大きく変わらないことが多いです。まぁ、多少は安くなるかもしれませんが、他のせどらーと大きく差をつけられるほどのレベルではありません。
メーカー・卸仕入れのデメリット
仕入れにロットや最低金額などの制約がある
メーカー・卸仕入れでは、多くの場合、仕入れはロット単位になります。
ロットというのは発送の単位で、例えば1品目を注文するためには12本単位でなければいけない、というルールがあります。この「12個」というのを「1ロット」と言います。
要するに、「試しに1個だけ仕入れてみる」ということはできず、仕入れるなら12個単位、などとなります。ここでは例として、1ロットを12個としましたが、この数は商品によって異なります。6個のものもあれば、120個などというケースもあります。
また、ロット単位の注文であることを前提として、最低いくらの仕入れからでないと発送しない、というルールがあることもあります。この最低金額は、業者にもよりますが、2~3万円というケースが多いです。
要するに、仕入れに小回りが利かず、「1商品をいくつも仕入れなくてはならず、一定以上の金額(2~3万円が多い)を仕入れなくてはならない」という制約があり、ある程度の資金を用意しておく必要があります。
廃盤品を仕入れることができない
これは当然と言えば当然なのですが、廃盤商品はメーカーに在庫がないため仕入れることができません。小売店仕入れでの廃盤品は、供給がなくなってきているということもあり、美味しい商品が多いのですが、そのような仕入れはできなくなります。
もっとも、ここは割り切るか、メーカー・卸仕入れと並行して卸仕入れを行う、などでカバーできないことはないです。
カードが使えないのである程度現金資金が必要
小売店仕入れの場合はクレジットカードで支払いをすることが多いですよね。
クレジットカードのいいところは、支払いを翌月に回すことができるということです。要するに、1か月以内に売れる商品を仕入れれば、支払いの前に売り上げが入ってくるので現金が減らないんですね。
しかしながら卸仕入れの場合は、カードが使えないことが多いです。
現金前払いを行ってもキャッシュアウトがしないだけの現金をあらかじめ準備しておかなくてはなりません。
とりあえず数十万くらいは欲しいところです。
契約に売上実績や個人事業主・法人の証明が必要になる
これは業者によるのですが、契約時に個人事業主や法人である証明が必要になることがあります。業者は、きちんと事業をしていて、支払いをきちんとしてくれる相手と取引をしたいのです。
その根拠として、開業届などを求められることがあります。まぁこれに関しては用意すればいいだけなので大きな問題ではありません。
法人でなければ取引しないというスタンスの業者もいますが、法人でない場合は諦めて違う業者を当たらなくてはなりません。
よくある誤解
期待しているほど仕入れ値は安くならない
メーカー・卸仕入れという手法と聞くと、「卸価格で仕入れられるなら仕入れ値ががっつり下がる!?」というふうに思う場合があると思います。
しかし、おそらく期待するほど安くなりません。ネットの普及で競争が激しくなったこともあり、どこも薄利多売の傾向が大きくなっています。小売店からのポイントの駆使や在庫処分の値下げを用いた仕入れと比較して大きな差はあまり期待できません。
「ちょっとだけ安くなったらラッキー」くらいの感覚でいた方ががっかりせずに済むかと思います。
全ての書類が入手できるわけではない
これは特にAmazonを販売している場合によくあることなのですが、様々な書類が必要になることがあります。例えば、販売許可証やSDS(安全データシート)などです。
しかし、卸仕入れでは販売許可証は入手できず、SDSもメーカーによっては厳しいです。社外秘資料になっていることがしばしばあるのです。
なので、書類関連はすべて解決できる、というのは少々期待しすぎなところがあります。
卸業者の場合、「商品リスト」はない、または役に立たないことが多い
メーカー・卸仕入れを行う際に、せどらーが期待しているのは、「業者から商品リストをもらって、それをリサーチする」という流れです。楽ですからね。
しかしそれはあまり上手くいかないことが多いです。卸業者はかなり多くの商品を取り扱っており、業者側から、「どういう商品を探しているのか教えてくれ」とボールを投げられます。
また、実際契約の段階で、「どういう商品を仕入れたいのですか?」と聞かれたりもします。
なので、事前にどのような商品を扱いたいのかをリサーチするという工程を飛ばすことはできません。
メーカー・卸仕入れに向いている人
メーカー卸仕入れに向いている方は、下記の2点を満たしている方と言えるでしょう。
- メーカーからの介入に不安な方
- ある程度の資金(数十万くらい)を用意できる方
- コツコツと利益を積み上げて安定した利益を確保したい方(爆発力はない)
代表的な卸業者
NETSEA
NETSEA(ネッシー)とは、メーカーや問屋が、小売店向けに卸すために利用する卸サイトです。販売卸側がNETSEAに支払うプラットフォーム手数料があるので直取引よりは多少高くなることが多いですが、十分利用できます。様々な卸業者が出店しており、多種の商材が仕入れられます。
スーパーデリバリー
スーパーデリバリーも、NETSEAと同じ卸サイトです。入会に審査があったり、2,000円の月額料金があったりなど敷居が高いですが、その分ライバルも少なく、有用なサイトです。(そもそも月額料金がかからないということは、その分を出店側に課しており、それだけ販売単価が上がるということですので……)。
こちらも様々なジャンルの仕入れに利用できます。
ザッカネット
ザッカネットもまた、様々な卸業者が卸先の小売店を求めて登録しているサイトです。ザッカネットは、ザッカネット内で購入するという形式ではなく、登録されている業者に個別に問い合わせして個別に相談するという形式です。
ザッカネットは、NETSEAやスーパーデリバリーよりも審査が厳しく、開業届はもちろん、事務所の写真などの提出が必要になります。お手軽副業というよりかは、本格的に事業として取り組む入門といったイメージです。
卸業者からの仕入れの手順
開業届を税務署に提出する
卸契約を円滑に行うには、自分がちゃんとした事業者であると説明できることが重要です。そのための資料として、個人事業主の場合開業届の控えがよく使われます。
もっとも、開業届はメーカー・卸仕入れのためのほかに、事業として行うにあたって出すことになると思います。
開業届の提出に関しては、特に難しいことはありません。書類に記入する事項も、困るようなところはありませんし、提出の手続きもすぐに済みますので、このステップはそれほど身構えなくても大丈夫です。
仕入れたい商品をリサーチする
どういった商品を扱いたいのかをリサーチしてください。
卸仕入れの取引をお願いしても、「どういった商品を卸してほしいのですか?」と聞かれます。その際に、「商品リストをもらってから考えます」と回答しても、あまり上手くいかないことが多いでしょう。業者の取扱商品は膨大なので、「どういった商品のリストがほしいのですか?」と大抵返されます。
こういった時のために、「○○というメーカーの商品を検討している」や、「○○のジャンルの商品を仕入れたい」など、ある程度搾る必要がありますので、事前にリサーチを行ってください。
それを扱っている卸業者またはそのメーカーを探す
仕入れたい商品の目星をつけたら、それを扱っているメーカーまたは卸業者を探しましょう。
問い合わせをして、取引可能か相談する
メーカーや業者が見つかったら問い合わせをしましょう。問い合わせの方法は、FAXだったりメールだったりwebフォームだったり電話だったりと、業者さんによって様々です。その業者さんに合った問い合わせをしましょう。
取引可能なら、希望の商品を見積り依頼する
問い合わせの結果、降ろしてもらえるとなったら、見積書を送りましょう。理想は、商品名とjanコードのリストを送ることですが、その前にカタログなどをもらえることもあります。
もらった見積り書を元に発注書を作成して送る
商品を選定し、発注書を送ります。
料金を振込む
メーカーや卸との取引は、現金前払いが多いです。請求書をもらったら、指定された口座に振り込みを行います。
そうすると、指定した配送先に送ってくれます。
副業でのメーカー・卸仕入れ実体験
参考までに、筆者のメーカー・卸仕入れ開始時の実体験談を記載します。筆者のものですが(笑)
筆者は副業としてメーカー・卸仕入れでのネットショップ販売に取り組んでおりました。
流れとしましては、下記のようになります。
①事前に取扱商品をリサーチ (本業終了後夜)
②それを扱っている卸業者をリストアップ (本業終了後夜)
③卸業者に連絡:メール or 電話 (本業終了後夜or本業中)
④契約締結 (本業終了後夜or本業中)
⑤見積り依頼(本業終了後夜)
⑥注文(本業終了後夜)
このプロセスの中、③の電話で問い合わせしなくてはならない場合は、本業中に隠れてやっていました(良い子は真似しないでくださいね)
感覚としては、10カ所くらいに問い合わせしたら2~3業者くらいが話を聞いてくれる感じです。ここはリサーチ精度などにもよると思いますが。
その中でさらに半分が、実際に仕入れまで行く、という感触です。
気になるところがありましたら、下記のLINEにて、そう言った質問なども受け付けておりますので、何かあればお気軽にご連絡ください!
メーカー・卸仕入れで困ったら
基本的な流れは、本記事に記載した通りではありますが、実際に行ってみるとどうすればいいかわからないことも多いかと思います。
「どういう風に受け答えすればいいか」や、「この業界の慣習ではどのような流れがスタンダードか」、「今のやり方であっているのであろうか」など、疑問点は尽きないはずです。
そういったとき、下記のLINEにて問い合わせを受け付けております。メーカー・卸仕入れだけでなく、せどりを含めた副業全般について対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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