年金への不安や物価高騰もあり、副業としてせどりを始めようとしている・始めた方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、自分がお店側となって商品を販売する事業を行うとなると、やはりトラブルには見舞われるもの。まったく見舞われない方が珍しいくらいです。
しかしトラブルが少ないに越したことはありません。事前にどういうトラブルがあるか、どのように解決できるかは最初に知っておきたいですよね。
本記事では、せどりによくあるトラブルをピックアップし、その内容と解決方法を解説いたします。
よくあるトラブルとその解決策・事前対策
仕入れた商品が値下がっていって赤字商品に……
利益商品を見つけていざ仕入れて商品を出品してみたところ、価格競争に巻き込まれ、どんどん値が下がっていって赤字商品になってしまったというパターンは、特にAmazonせどりではよく起こります。メジャーな商品で一時的に品薄になってしまったので仕入れが難しくなって値上がっていたもののすぐに在庫が補充され元に戻っていく、というケースや、トレンドで一時的に需要が高まったものの、それに販売者たちも食いついて出品店が多くなり価格競争になる、というケースもあります。
価格競争なんてLose-Loseなことしないで仲良く利益を分ければいいのに、と思うところもありますが、資金繰りなどそれぞれの事情があるのでしょう。
すでに起こってしまったときの解決策
まず、すでに起こってしまったこの事象に関しての解決策は、①諦めて損切りする、②値下がっている要因を推測し値段が戻るまで待つ のいずれかです。
①に関してはシンプルですね。もう失敗を受け入れて次に行こう、とスッパリと切り替えていくスタンスです。これは全然悪いことではなく、むしろいい判断です。
②に関しては、寝下がっている理由が推測でき、「もしもこれが原因ならいずれ値段も戻るだろうから一定期間待とう」というスタンスです。初心者にはあまりお勧めではありませんが、推測に妥当性があるならこちらを選択してもいいでしょう(もちろん推測が立たないこともありますし、価格が戻らないことも少なくありません)。
大事なのは、「待つのは一定期間にする」というところです。それでも戻らなければさっさと赤字でも売って資金を回収し、それを運用してしまった方がいいです。在庫として保存しておくと、その期間資金が運用できなくなり、得られる利益も減ってしまいます。
なので結局、「赤字を受け入れて損切りしてしまう」というのが無難な選択です。
事前の対策
なぜその商品に利益が乗っているのかを考えましょう。一時的な品薄だからなのか? 廃盤品や限定品でもう供給がないからなのか? 安く売ることのできる大手が扱わないマイナー商品だからなのか? 単純に他出品者に見つかっていないだけ? など理由は色々とあり得ます。この中で割けるべきは、「一時的な品薄で瞬間的に高騰しているだけ」という理由での値上がりです。この場合は、すぐに元に戻ってしまう可能性が高いです。
しかしながら正直、この失敗はゼロにすることはできません。また、この失敗を恐れて仕入れができなくなってしまっては元も子もありません。最も健全な対策は、「取扱商品を色々と増やし、その中の数品目が値下がっても全体で見れば大ダメージを受けないようにする」ということです。
明らかに「これはすぐに戻るだろ~」と判断できるケース以外は、一定確率で赤字になることを承知の上で、少し仕入れ数を抑えて販売してみるというのがおすすめです。
売れ行き判断を失敗して仕入れすぎてしまった……
Amazonでは売れ行きはデータで見れますが、この手の失敗はデータを読み間違えるとあり得ます。Amazon以外のメルカリ等の販路では、判断が難しい場面も多いと思いますので、もっとあり得ますね。
やってしまう気持ちはよくわかります。「ようやく利益商品を見つけた! でもこれから値下がってしまうかもしれないし、セール価格なのは今だけだし、在庫切れ期間も作りたくないし、たくさん仕入れておきたいな」といったところでしょうか。
しかしながら、思ったよりも売れないと頭を抱えてしまいますよね。
すでに起こってしまったときの解決策
すでに仕入れてしまったものは仕方ありません。どうにかして売るしかありません。売り切るためには、ページのインプレッション(どれだけの人に見られているか)やクリック率(どれだけの人がページを開いてくれるか)、コンバージョン(どれだけの人が購入しているか)を確認し、足りないところを補間していきましょう。
インプレッションが少ないのなら、タイトルにキーワードを入れたり、広告を売ったりしてみてください。他の販路を試してみるのもいいですね。クリック数が少ないのなら、商品のメイン画像を変えてみたり、タイトルをもっと魅力的になるよう変えてみてください。コンバージョンが少ないなら、商品説明やサブ画像などに手を加えるといいでしょう。
事前の対策
Amazonでは売れ行きのデータが見られますので、データを見間違えないように、というのがまず対策になります。
他販路で言うと、正直どれだけ売れるかは判断が難しいところもありますので、まずは1~2個くらいだけ仕入れてテスト販売し、すこしずつ増やしていくのが無難な選択です。セール期間を逃してしまったり、在庫切れ期間ができてしまったりなどデメリットもありますが、不良在庫をたくさん抱えるよりかはマシではないでしょうか。少し慎重なきらいもありますが、潤沢な資金がなく、判断になれていない場合はこのくらいでもいいかと思います。
購入者からクレームが来た……
クレームは必ず来ることになるので、その対応も日々必須になります。クレームの原因は、自分に非がある場合もあれば、明らかに自分のせいではない場合もあります。もっとも、どちらにせよお客さんから直接メールや電話がきたら慌ててしまいますよね。
すでに起こってしまったときの解決策
すでにクレームが入ってしまったのなら、それに応対するしかありません。内容次第なところも多いですが、基本的には、自分に非がある場合は誠実に対応し、自分ではない場合は、その原因のところ(販売プラットフォーム、メーカーなど)に問い合わせてもらうようお願いする、といった流れになると思います。運送会社の問題の場合は、発送依頼主からクレームを入れる方がスムーズなことも多いので、取り次ぐこともあり得ます。
この対応のせいで追加の経費が発生し赤字になることもありますが、そこは仕方ないでしょう。
事前の対策
事前の対策としては、販売プラットフォームの発送代行サービスを利用するのが一番効率的です。AmazonならFBA、Yahoo! ショッピングならヤマトロジスティクス、楽天なら楽天ロジです。これらを利用すれば、自分の検品さえしっかりこなせているのだとしたら、そこから先はプラットフォーム側の処理になるので、ほとんどの問い合わせがプラットフォームへの誘導か取次ぎで済みます。
検品や発送時に問題が発生していた場合は、それはもう自分のせいなので、誠実に対応してください。誠実に対応しているかぎり、それほど大きな問題には中々発展しません。
電話応対などが精神的ストレスになるようでしたら、電話の受付代行などのサービスもあるので、それを利用してもいいでしょう(もちろん経費はかかります)。
仕入れた後で出品規制がかかっていると知った……
このトラブルは特にAmazonでよくあります。いざ出品して見ようとしたら規制されていた、というパターンです。せっかく仕入れたのに出品できなかったらがっかりしますし、この在庫どうしよう、ってなりますよね。
すでに起こってしまったときの解決策
もう仕入れてしまいましたか……そうですね。規制で売れないものは売れないので、他の販路で売るしかありません。もちろん規制に申し立てをして許可が下りればそれに越したことないのですが、大体そうはいかないですよね。他販路で捌いてしまいましょう。
事前の対策
まず仕入れる前に出品登録してしまうのが一番です。それで売れることを確認してから仕入れましょう。これを心がけていれば、この問題はなくしていけるはずです。
仕入れた商品に出品中に出品規制がかかった……
仕入れる前に事前に出品登録し、いざ出品してみた! だけど少し経ってから、プラットフォーム側で規制が入って売れなくなってしまった、という現象です。これもAmazonで多い問題ですね。
これも申し立てが上手く通れば以前通りに売れるのですが、上手くいかない場合は在庫をたくさん抱えており……。
すでに起こってしまったときの解決策
これも許可が下りないのなら、他の販路で売るしかないです。ここはプラットフォームを利用したビジネスの難しいところですが、プラットフォームの意向には従わなくてはなりません。
事前の対策
類似商品や同じブランドで規制がかかっていないかをチェックしましょう。規制がかかっていない場合は、多分大丈夫だと思います。規制がかかっている場合は、まだ見つかっていないだけ、という感じだと思います。
ただ、突然かかってくるケースもあります。これはもう事故です。完全に回避することはできません。
メーカーから出品を取り下げるように連絡が来た……
突然来ます。雨に降られたようなものです。メーカーによっては、販売店をコントロールしたがるところもあります。理由は、大体が、①価格を勝手に下げられてブランドを損ねられたくない、②偽物が出回ったときに「このお店から購入しているものは本物、それ以外は偽物」というように真贋を判断したい、というようなものです。
メーカーが管理しているところ以外のお店がその商品を販売している場合、「ここは正規店から仕入れられたものなのか? 値下がっていないか?」というのを確認したいので連絡を送るわけですね。
各々のメーカーの方針次第なのですが、正規店から仕入れたものであれば価格さえ守ってくれれば販売を許してくれるところもありますし、正規店登録していない場合は問答無用で販売NGというところもあります。
もっとも、上記の理由で発生することですので、メーカー・(正規の)問屋仕入れを行っている場合は、このような問題はあまり起こりません。起こったとしても発注元に問い合わせれば、返品なりの対応を行ってくれますので、この方法で仕入れたものに関しては心配は無用です。
すでに起こってしまったときの解決策
主にどこから仕入れたのかを聞かれると思います。正直に答えましょう。ビビるかもしれませんが、あなたは別に悪いことをしているわけではないです。
ただ、量販店などから仕入れている場合は、まあ「出品取り下げてください」となるでしょう。これには従ってください。
これに逆らうとどうなるかというと、大抵の場合、メーカーがプラットフォームにあなたの出品を止めてもらうよう申請します。その後、プラットフォームがあなたのアカウントにペナルティを付けた上で、出品を停止します。
このように「売れなくなる」という結果は変わらなかった上、アカウントへのペナルティという追加ダメージが発生します。
メーカーからの直接の連絡は、アカウントへのペナルティがない分、むしろやさしさと解釈していいと思います。
事前の対策
そういった、販売店管理をしているメーカーの商品には、出品者が異様に少なかったり、出品価格が全ての店舗でぴったり揃っていたりなど、ある程度「におい」がします。
ただまぁ、「においを感じろ」というのもあんまりなので、ここではSeller Sketというサービスを紹介します。
Seller SketはAmazon販売を見据えたサービスで、このようなメーカーからの規制が入るかどうかという危険度を可視化してくれます。
Amazon向けサービスではありますが、補間の販路でも有用です。なぜなら、Amazonに規制が入らずに他販路に規制が入るというケースはそうそう見かけないからです。Amazonは価格変動がかなり大きく、参入の難易度も低いため、荒れやすいプラットフォームです。なのでこの辺りを気にするメーカーはまずAmazonをチェックするのですね。
もしAmazonがセーフなら、他の販路もセーフだろう、というロジックです。
仕入れた商品がなかなか売れず、クレジットカードの支払いがキツい……
持っている現金以上に仕入れてしまったけど、思ったよりも売れずに、支払いまでに現金化ができない、ってやつですね。
名誉のために言っておくと、このミスは「現金以上にたくさん仕入れてしまったこと」が悪いわけではありません。安全を取って「今持っている現金以上に仕入れない」というルールは、安心ではありますが、売上が伸びるスピードも遅いです。オフェンシブかディフェンシブかの違いで、この点が悪かったわけではありません(無論、程度はありますが)。悪かったのは単純に「売れ行き判断を誤ったこと」、「キャッシュフローの管理が甘かったこと」です。
すでに起こってしまったときの解決策
お金を何とか作ってください! それ以外にありません。赤字でもセールをして現金を回収してください(ちょっとずつ下げると他のお店もついてきてしまって、長期間相場が荒れ、自分も今後仕入れられなくなるので、わかりやすくがっつり値下げてください)。なければ借りたり即金の仕事をしたりなどしてください。これはいわゆる、資産は増えているけれども現金が足りない「黒字倒産」というやつです。世の小さな会社の社長などはこの資金を求めて奔走したりなどしています。あなたもまさにその状況です。奔走してください!
事前の対策
キャッシュの管理を行うのが最も正しい予防策です。毎月何日にいくらの支払いがあるのか、その時点までにいくら現金が足りないのか、毎月何日にいくらくらいの売り上げの入金があるのかをクリアにして、「これなら入金が大丈夫だろう」という範囲の中で仕入れを行ってください。
せどりでトラブルに見舞われたら?
上記で挙げた以外にもトラブルは起こると思います。時々によってその内容は様々で、網羅的に解説はできていないでしょう。ネットで検索しても特殊すぎて情報が出てこない……と言ったことも少なくないかと思います。
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