今回は、せどりを行うにあたってよく聞く、「縦積み」と「横積み」について解説します。また、縦積みをどううまく行うかについても説明します。
縦積みと横積みとは?
縦積みとは、「同じ商品を多数仕入れて販売する」という戦略です。一方で横積みとは、「多くの種類を少しずつ仕入れる」という戦略です。
中古せどりでは縦積みはできません。中古は基本的に一点物で、そもそも「同じ商品」というものが存在しないからです。縦積みをするとしたら必然的に新品せどりを行うということになります。
ネット仕入れか店舗仕入れかはあまり気にしなくていいですが、店舗の方がしやすいです。その理由は、後述する「縦積みに向く商材」が店舗の方が見つかりやすいからですね。ただ、チャンスがあればネット仕入れでも行えます。
縦積みと横積みには、双方ともにメリットとデメリットがあります。次章ではそれを解説します。
縦積みのメリットとデメリット
メリット
大きな利益商品を1つ見つければ大きく稼げる
なんといっても最も大きなメリットはこれでしょう。一つ利益商品を見つけるだけで、その商品がたくさん売れればそれだけ多くの売上、収益になります。
せどりで大きな売り上げを立てている人は少なからず何かの商品をそれなりに縦積みしています(中古せどりは話は別になりますが)。新品せどりで大きく売り上げたいなら、ある程度の縦積みは避けて通れないと言っていいでしょう。
仕入れや発送業務の効率化
縦積みの大きなメリットには、仕入れや発送が効率化されるという点もあります。
多くの商品を扱っていると、「あちらでも仕入れなきゃいけない、こっちでも仕入れなきゃいけない」と多くの店舗を回らなくてはなりません。一方で同じ商品なら、仕入れ先が搾れるので、仕入れ業務が大分楽になります。
また、発送も同様です。多くの商品を扱っていると、「この商品を入れられて送料が安く済む段ボールはどれだろう?」とか、「この商品はどうやって梱包しようか」など、考えることが多くなってしまいます。しかし同じ商品を扱うことで、そのような悩みから解決されるのです。
値引きがされやすい
同じ商品をたくさん購入する場合、値引きを行ってくれるところもあります。「これだけ買うので、このくらい安くなりませんか?」などと持ち掛けるのですね。
値引かなくてもどんどん売れていく人気商品なら話は別ですが、そうでない場合、お店側も在庫を掃きたいので応じてくれることが多いです。
デメリット
持続性に難
商品を縦積みすることで上がった売上は、あまり長続きしないことが多いです。といいますのも、縦積みに向く商品は仕入れにくいことが多く、仕入れやすいものがあっても売値が下がってしまいやすいからです。
失敗すると損害も大きくなる
縦積みの失敗ケースでよくあるのは、「仕入れたはいいけど見る見るうちに値下がって赤字商品になってしまった」という展開です。もしもこのようになってしまったら、たくさん仕入れた分が裏目に出て、赤字が拡大しています。
また、特にAmazonであるのですが、「メーカーが出品を停止するように働きかけ、出品自体ができなくなる」というケースです。他の販路で捌けば丸々赤字ということはないのですが、あまり利益は期待できないでしょう。
サボりやすくなる
精神的な面が強くなりますが、これは大きなデメリットです。よい商品を見つけて縦積みをすると売上が大きく上がるため、「特に働かなくても大きな売上が上がる」という期間ができます。その期間はどうしても、人間である以上リサーチをサボりがちになります。
この売上、利益の上昇は一時的な場合が多いため、そのボーナスタイムが終わった後、利益を上げられなくなってしまうということになりがちです。
横積みのメリットとデメリット
メリット
安定した収益が得られる
横積みの強みは、「売上・利益を単一の商品に依存していない」という点に尽きます。
仮にその商品が値下がって利益がでなくなったり、メーカーの介入によって扱えなくなったとしても、数ある商品の一部に過ぎないので大きなダメージになりません。
横積みで得られた売上は、販売アカウントを停止されたりしないかぎりはかなり安定した状態を維持してくれます。
デメリット
膨大なリサーチが必要
しかし横積みをするということは、利益商品をいくつも見つけ出さなくてはならない、ということを意味しています。そのため、縦積みのように「よく売れる利益商品を一つ見つけたら後はある程度楽できる」というようなことにはなりません。継続してリサーチを続けなくてはいけません。
そのリサーチを積み重ね、強固な横積みを作り上げれば楽ができるようになりますが、それまでに至る道のりは簡単なことではありません。
発送業務が煩雑化
縦積み戦略のメリットの裏返しになりますが、発送業務が煩雑になることもデメリットです。商品によってちょうどいい段ボールを選定し、適切に梱包しなければなりません。
このデメリットは一応、外注化によってある程度の解決はできますが、すべてじぶんで行っているという最初の段階ではかなり時間のロスにつながってしまうでしょう。
縦積みと横積みどちらがいいか?
さて、ここまで縦積み横積みのメリット・デメリットを解説してきましたが、「結局どうしたらいいの?」という疑問が上がるでしょう。それに対する回答をここで述べておきます。
縦積みができる状況に出くわしたら縦積みをして構わない。
しかし基本的に横積みを狙うスタンスで取り組む。
これが基本的な動き方になります。
非難を恐れずに行ってしまえば、「縦積みをすれば楽して売上をさっさと上げられる」というのは甘い誘惑です。それに惹かれて縦積みしたとしても、待っているのは、縦積みで利益ががるボーナスタイムが終わった後の売上低迷です。半端に売上が上がった過去がある分ダメージも大きいでしょう。
この記事を読んでいる方々は、一時のお小遣いが欲しいというわけではないはずです。安定的に継続する収入が欲しいのではないでしょうか。そのような条件ですと、狙うべきは縦積みではなく横積みです。
しかし、縦積みできるような商品があるにもかかわらずみすみすそれを見過ごす理由はありません。見つけたら見つけたで縦積みしても構いません。
しかしだからと言ってその一時の売上に満足せず、その脆さを承知したうえで継続して、横積みができるようリサーチを続けなくてはなりません。
縦積みに向く商材
縦積みに向くせどり商品はいたってシンプルです。
それは、「よく売れるとわかっているメジャーなブランド・シリーズであり、かつ限定・廃盤となる商品」です。
すでに売行がよい限定・廃盤商品の在庫を各量販店からかき集めるという動き方が最もリスクが低いです。それでは間に合わない場合は、前評判の高い商品や、すでに人気のブランド・シリーズ商品の限定・販売商品をかき集めてください。
売れないであろう商品を縦積みしても仕方ありません。また、限定や廃盤などのような要素がなければ、誰もが仕入れられるわけですので、価格競争が起こって利益がつぶれていきます。
このような条件を満たす商品は、コスメやゲームなどにのジャンルに多いです。
積みで失敗しないためのポイント
余裕のある資金で行う
最初の内の注意ポイントですが、資金に余裕がある状態で行いましょう。
そうでなければ、「売れ行きが思ったほどよくなかった」というような場合に、在庫が売れるまで現金が回収できず、それ以上の仕入れがストップしてしまいます。
なので、最低限、その資金がしばらく凍結されたとしても別商品の仕入れ資金がある、というような状態で縦積みに取り組んでください。
季節ものやトレンドには注意する
縦積みする商品の選定時の注意点ですが、その商品が季節モノ・トレンドモノのではないことを確認しましょう。また、季節モノ・トレンドモノでもすぐに売り切れると判断できるものに関しては仕入れてしまっても大丈夫です。
商品には、「その時期だからこそ売れる商品」というものがあります。在庫を売り切る前にその時期が過ぎてしまえば、売れ行きは目に見えて止まってしまいます。
(可能なら)テスト販売を行う
縦積み商品に関してはスピードが重要なので難しい場面もあるでしょうが、できればテスト販売を行ってみるべきです。
1点または数点だけ仕入れて販売してみて、大体どれくらいの期間で1つ売れるのかを確認しておきましょう。
そうすることによって、仕入れるべき数量が見えてきますし、万が一値下がりが起きても被害は少なくて済みます。
店員に相談して在庫をかき集める
縦積みしたいなと思える商品が見つかっても、あまりお店に在庫が多くなかったりします。そのようなときは諦めずに店員に相談しましょう。別店舗に残っている商品を手配してくれる可能性があります。
相談することを億劫に感じる気持ちはわかりますが、それで得られるはずの利益を失うのもあまり上手くはありません。「とにかくとりあえず聞いてみる」というスタンスは大事です。
縦積みのよくある失敗
縦積みした商品が値下がって赤字商品になってしまう
あるあるです。
しかしこれは、上記の「メジャーブランドであり、限定品」という条件を満たすのであれば、ある程度、値段を高いままにしたまま気長に待っても大丈夫です。
もう他の競合は仕入れられないはずなので、安く出品しているショップの在庫は尽き、自分の商品が売れる番が回ってきます。そこで当初想定したような金額で出品しても売れていきます。
資金が回収できるタイミングは遅れてしまいますが、損をしているわけではありません。
もしも、他の店舗が継続的に仕入れられるような商品でこのような目にあってしまったら、諦めて損切りし、資金を回収してください。
赤字を受け入れ、回収した資金で新たな仕入れをした方がマシです。
このような失敗は誰もが通る道なので、教訓を得て次に取り組みましょう。
仕入れたはいいものの、いざ出品しようとするとプラットフォームの規制にひっかかる
たまにあります。
利益商品を見つけてテンションが上がって大量に仕入れたものの、実は販売できない商品だったり、メーカーの介入により途中で販売停止になった、というケースですね。
「実は販売できない商品だった」というケースは縦積みをする前にプラットフォームの規約を確認したりすることで回避できます。
しかし、「途中で不意にメーカーの介入で販売できなくなった」というケースは回避不能です(前兆や過去の動きからある予測できるケースはありますが、できないケースもあります)。これはもう諦めるしかありません。これを回避するには、せどりではなく1小売店として、メーカー本体と卸契約を取り付けるしかありません。せどりでこのような状況に陥ってしまったら他販路で捌き、傷口を最小限に留めるという動きになります。
これはもはやせどりという形態で行う縦積みの本質的なデメリットなので、せどりで縦積みをする以上受け入れなければならないリスクです。
縦積み商品が仕入れられなくなったら売上が低迷して落ち込む
これは精神の話になりますが、筆者がよく見るケースです。
せどりを始めました! → 運よく利益商品を見つけました。縦積みします! → 売上めっちゃあがったヤッター!俺天才! → あ、トラブルで販売できなくなった…… → それまであった売上がめちゃくちゃ低くなっちゃった…… → もうやめよう、せどりなんてダメなビジネスモデルだ……。
うーん、すごくよく見る。
縦積みって楽なんですよね。運よく一つ見つけたら一気に売上が上がります。
しかしそれに甘えてサボっていると、すぐにそれが扱えなくなって、売上げが下がる。サボっていたものだから横展開もできなくて、せどりの利益が低迷する。
とてもよくあるケースです。
本記事を読んでいる方々は、あくまで「縦積みの利益は運よく一時お小遣いが増えただけ」という意識で横積みを忘れずに取り組んでください。その正誤はともかくとして、その意識で励み続けてください。
縦積みをするかどうか迷ったら
ここまででもしつこく記載しましたが、縦積みには相応のリスクがあります。しかしながらそのチャンスがあるならば、みすみすそれを見逃す理由はありません。
難しいのが、「本当にこの商品は縦積みしていもいいのか?」という判断です。これに関しては、これまでに記載したような一定の判断基準はありますが、やはりなかなか踏み切れないことも多いでしょう。
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